NEKO_SuperNyanko

個人ゲーム開発ブログ

自作PCが(多分)できるようになった

私は小心者でビビりである。

例えば初めて一人で電車に乗った時は、 ・寝過ごしたら? ・ホームで足を踏み外して頭打って死ぬかも知れないんだよ? ・電車が今日に限って脱線したら…? など、緊張感に満ちた疑問が次々と頭を過ぎり、背中は冷や汗だらけ、心臓は高鳴り、新しい場所に連れてこられてビビりまくる猫のようにビクビクする。

ちなみにビビりで高所恐怖症なので、スカイツリーに地上が見下ろせるガラス窓には腰を抜かしたが、そこに子供たちがダッシュできてジャンプするから本気で命乞いしたこともある。

ビビりだと自作PCができない

こうした性格のため、自作PCは「壊したらどうしよう?」という不安で長年手を出せなかった。工業高校出身というのに自分でも呆れるほどであった。ちなみに私の専攻学科は電子機械である。大丈夫か、私。

しかし、最新技術を駆使したインディーゲームで3Dを使うには、それなりのスペックが必要で、ついにビビりちらかしていてた私にも限界がきた。 私はどーしても3Dを駆使したい。2Dゲームはもう散々作ったことがある(Windows98時代)ので3Dじゃないと嫌だ。

しかし、既製品で全て揃えるには、膨大なコストがかかる。コスト削減のためにも、自作PCを避けて通ることはできない…Oh...GPUだけGeForce 3070Ti買ってしまい、退路も断たれた...GTX1080Tiじゃ遅かったんだもん..

ネジ回しから始まった2年の修行

私はビビりな上に不器用である。小学校では有名人だった。折り紙で鶴が折れない、美術で果物を作る課題でよくわからない異形を作る、家庭科でエプロン作るのに雑巾のような布切れが生まれる、陶器の体験学習では皿でも湯呑でもなくなぜかカレールーを入れる壷を作ろうとして失敗して粘土の塊が焼かれ、女子は悲鳴を上げた。

もう小学生の頃のような見栄を張っても仕方がない。目の前には購入時10万以上もした高価なGPUが鎮座している。自分は不器用な人間と認め、修行するしかない。まず「ネジ回しを覚える」ところから始めた。気分はさながら映画ベストキッドの主人公だ。空手を教わり強くなるぞ。まずは掃除から?違う、ネジの規格からだ。ドライバーのサイズの名称がM4なのか、へぇ?(※こんな人でも工業高校出身です)

ネジの規格を覚えたらPCを何度も組み直すことを繰り返した。

私は戦争映画が好きである。 なんか、戦争映画だと銃を恋人にしろとかどうとかいって教官をトイレで撃つほどまで熟練(フルメタルジャケット)する過程で、銃を解体して組み立てていたな?と思い出す。

そこで兵士になった気持ちで、ネジの規格を覚えたら執拗にPCの解体と組み立てをしつこく繰り返した。ついに頭がおかしくなったのかと嫁さんが不安になって止めにきても繰り返した。

解体の回数を重ねるうちに、SSDの配置やファンの位置など、PCを効率的に冷却する方法や安価なケースでも冷却効果をあげるための王道的な方法があることも知った。

ファンの位置を変えたり、CPUファンをアップグレードすることでCPUの平均温度が15度以上も下がった。

新品マザーボード買ったら初期不良で苦しんだこともあった。 しかしその経験で、マザーボードが動作しない時の対処法を学ぶ機会にもなった。それからマザーボードが不動の時も落ち着いて対応できるようになった。

マザーボードまで慣れてくるとPC全体の配線パターンもわかってきた。 長年SSD交換ぐらいしかしなかったノートPCの内部構造も興味がわいてきた。分解して解説するYouTuber動画などを参考に基本的な構造を覚え、ノートPCもバラバラにして任意のパーツを交換できる程度には成長できた。

疑似科学やいい加減な主張との情報戦

勉強していると中には根拠が疑わしいオカルト的な情報もあった。それらを排除し、科学的に正しい情報に基づいて自作PCを行うには膨大な検証を重ねる必要があった。

自作PCを否定する情報に悩んだこともある。 BTOに無茶苦茶詳しいどうやらどっかのBTOメーカーの経営者の匿名の主張ブログである。曰く、最近のPCはそこそこの性能あるから素人に最適解は至難であり自作PCはロマンだと。試行錯誤するからコストメリットはないというである。この主張は検証を重ねて嘘だと確信もした。

実際に自作してみると節約になることが多い、言うほど試行錯誤にコストはかからん。なぜなら今の時代、失敗した人はネタで動画をすぐアップするからである。動画には悲惨な失敗した人の阿鼻叫喚でいっぱいだ。それを避ければいいのだ。

一度、自作スキルが身に付けば、中古PCを直してチューンアップすることも、新品で既製品以上の性能を得る時にも、あるいは保証期間外で故障したノートPCを安価に直すときにも自作PCのスキルは発揮される。

一度自作に慣れると性能も安価で納得できるものが作れることが多い。

自作PCスキルを身につけることでパーツを高く売る方法も分かったし、買い替えコストを大幅に減らせるようになった。それから、広告の煽りに強い耐性を獲得できた。これは事実を知っているので無視できるという意味だ。

失敗もあった。2万円程度のCPUのピンをまげてしまった。 しかし、ピンの直し方を覚えたし、それを教訓にし、その何倍もする高価なCPUでは自信をもって慎重な取り扱いができるようにもなった。

総評すれば、失敗以上に成功のリターンが大きかったと言えるし、自作PCスキルは、趣味や仕事に役立った。

ChatGPT曰く「今の時代、情報が誰かの利益のために捻じ曲げられた嘘へ誘導する情報は多い。」そうだ。アイツがそう言うと誰よりも説得力がある。不確かことをもっともらしく言う人、自分で試してもないのに嘘を本当かのように言う人は多いのだ。

混沌とした時代においては、情報に翻弄されないよう、身に着けた技術が増えると自分を助けてくれるのだ。私はそう確信している。